結婚式はしなくてもいいかな…ナシ婚を検討するカップルが知るべき結婚式の無限の可能性

「結婚式か。挙げたいけれど挙げなくてもいいような気もするなぁ」 結婚式は結婚するカップルの約半分が挙げていますが、裏を返せば結婚式を挙げない「ナシ婚」と呼ばれる選択肢をとるカップルも約半分いることになります。近年、結婚式は「するのが当たり前」というわけではなく、したければするものに変わってしまったのは事実です。 今回は、元ウェディングプランナー歴10年の私から、結婚式の魅力についてお伝えしていきたいと思います。ナシ婚を検討するカップルに少しでも結婚式の良さが伝われば幸いです。

結婚式場見学にきたカップルから聞いた「結婚式をしなくてもいい」と考える理由とは

ある日、結婚式場にブライダルフェア参加でやってきたカップルとお話していたときに、このようなことを聞きました。 「結婚式ってやっぱり挙げるべきですよね?こんなこと聞いてしまってすみません。何か私にとって結婚式って義務感で挙げる感じで、個人的にはあんまり興味がないんです。どの結婚式も同じような感じで、参列してもあまり私は正直感動しませんでしたし、決まりきった流れで進めていくものでしょ?新鮮味もないからイマイチ魅力が分からなくて…」 この花嫁さんは20代後半のとても綺麗な方でした。今でもすごく印象に残っています。この花嫁さんが「結婚式にあまり魅力を感じない」のはなぜか、それは結婚式特有の「よくある流れ」に飽きてしまっていて自分もやりたいとは思えないのが原因です。 結婚式と言えば、おおよその流れは目に浮かぶようにイメージができる人が多いのではないでしょうか。それもそのはず、型にはまった結婚式は未だにとても多いのです。 この花嫁さんのように、高いお金を支払ってまで「よくあるありきたりな結婚式」をすることに対して抵抗を感じる人はきっと多いのではないでしょうか。

カップルの数だけ結婚式のカタチがある「オリジナリティ重視の結婚式」の魅力

私が担当していたお客様がある日このようなことを話してくれたことがありました。 「人と違ったことがしてみたいんです。なんか大きく雰囲気を変えることって出来ませんか?こんな結婚式初めて!ってゲストに思ってもらいたいんですよね。結婚式の常識をくつがえすような、そんな型破りの結婚式がしたいです」 これはまた極端な例ですが、型破りとまでいかなくとも「二人らしい結婚式」「個性を主張した結婚式」の形を希望されるカップルは少なくありません。やはり皆それぞれに「よくあるワンパターンな結婚式」にはしたくないという思いがあるのでしょう。 結婚式に対して決まったイメージを持ってしまっている人たちは多いですが、結婚式の形はいくらでも変えることが可能です。その中でも「最低限守るべき常識的な結婚式のルール」さえ守っておけば、ゲストに対して失礼にあたることはまずありません。 大切なのは、新郎新婦自身が理想とする結婚式のイメージを持つこと。これがあって初めてプランナーはたくさんの提案をすることができます。何もないところからプランナーがあれこれ提案するのは現実的に難しく、「ふんわりとしたイメージ」でもなければ「ふたりの理想をカタチにする」提案は思い浮かぶはずもありません。 例えば、「ゲストに一体感を感じてもらえるような結婚式にしたい」というイメージだとします。この場合、ゲストの皆さんにも一体感を持ってもらい結婚式に参加してもらうのがいいでしょう。 ゲストに向けてドレスコードを指定する方法もおすすめ。例えば「ブルー」とカラー指定があれば、女性はブルー系のドレスや小物を取り入れ、男性もブルーのチーフやブルーのインナーシャツを着用するでしょう。当日の会場はこれだけでも一気に一体感が増します。想像しただけでもワクワクしませんか? このように、結婚式はいくらでもアレンジが可能な無限大の可能性を秘めたパーティーなのです。

結婚式は家族と家族のつながりを感じることができる最高の機会

なんと北海道の新郎と福岡の新婦が結婚するという、そんな結婚式を担当したときのことです。結婚式が終わり翌日に新郎新婦カップルが私の元にわざわざご挨拶にお越しくださいました。 「結婚式、本当は最初するかどうかですごく悩んでいたんです。親族も北海道と福岡で離れてますし、遠方から来てもらうのも大変なものですから。私たちもそんなに結婚式に対しての憧れはなかったですし、何となく挙げるべきかなと思って挙げたのですが…。でも結果的にすごく良かったと思っています!結婚式が終わって親族からすごくたくさんの嬉しい言葉をもらいました。中でも両家の親族がたくさんコミュニケーションが取れて良かったという言葉が多く、たしかになかなか会うことのない距離ですから、良い機会だったんだと思います!」 このカップルは親族中心の20名ほどで少人数の結婚式を挙げました。披露宴はほぼ会食形式で、「特に演出は入れたくない、普通に食事をしてゆっくりくつろいでもらえれば」というカップルの意向を重視したものでしたが、結果的に会話が弾んで盛り上がった披露宴になりました。 新郎新婦が壇上に着飾って着席し、皆にお披露目をするだけが結婚式ではありません。結婚式の良さは、家族と家族がより深く結びつくこと。特にこの例のように離れた場所に住む両家の親族は、結婚式以外で顔を合わせる機会がほとんどないに等しいでしょう。結婚式は親族同士が語り合い、絆を深める最高の機会でもあります。少人数の結婚式の良さは、まさにこの点にあると言ってもいいでしょう。

新郎新婦自身にとって忘れられない生涯最高の日

結婚式の魅力はたくさんありますが、「婚姻届け」を出すだけで夫婦になるケースと比較すると、結婚式を挙げることで「結婚した」ことに対する実感がより強く持てるのも結婚式の良さです。仮に今皆さんが「結婚式は挙げても挙げなくてもいいかな」と感じているとしても、結婚式を挙げた後に同じように感じることはほぼ無いと断言できます。なぜなら、多くのカップルたちが結婚式後に「こんなに感動するとは思わなかった」と予想以上に感動したことを教えてくれたからです。 結婚は一生に一度の人生における一大イベントです。これから生涯を共に歩んでいくパートナーと、これまでの軌跡を振り返り、これからの決意を新たにする節目とも言えます。結婚式を挙げて、神様の前でもしくはゲストの前で永遠の愛を誓うことで、ふたりの気持ちはより固いものになるに違いありません。 「やっぱり挙げて良かった!」と思うことはたくさんありますが、「挙げなければ良かった」と思うことはないこを考えると、ナシ婚を検討する皆さんも今一度結婚式の本当の価値について考えてみられることをおすすめします。

まとめ

結婚式は参列するのと実際に自分が挙げる側に立つのでは感じ方がまったく違うものです。ナシ婚を選ぶ人たちの多くは、金銭的な理由や結婚式自体に魅力を感じないことが理由となっています。「こんな結婚式はあんまり魅力を感じないな」と思う結婚式の形に縛られる必要は一切ありません。ふたりの結婚式はふたりで作ることができます。 常識や伝統を重んじるのは大切なことですが、その上でオリジナリティを主張したりゲストをあっと驚かせる斬新な演出を密かに盛り込んだりすることで、結婚式は個性あふれるパーティーになります。そんな結婚式を実現できれば「やっぱり結婚式って絶対するべきだよね、やってよかったね」と思えるに違いありません。もし現時点でナシ婚を検討中なら、今一度結婚式の本当の魅力や無限の可能性について考えてみられてはいかがでしょうか。